ゲームソフトを育てるのは誰なんだろう。
Amazon | Nintendo DS 桃太郎電鉄20周年
コナミから何の連絡もない。こんな調子でずっとほったらかされた。ここに桃太郎電鉄は、正式に終了します。すべてコナミの石川が握り潰しました。
— さくま あきら (@isetta_23) 2015, 6月 2
例のtweetで桃鉄こと「桃太郎電鉄」が揺れている。このtweetに対し出したコナミのお知らせはというとこれがまた酷い。
お客様各位2015年6月3日株式会社コナミデジタルエンタテインメント『桃太郎電鉄』シリーズに関するお知らせ平素は弊社製品をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。
『桃太郎電鉄』シリーズの制作について、お客さまにご心配をおかけしております。
同シリーズは、多くのファンの皆様からご支持頂いていると共に、弊社も長年かけて育ててきた大切なタイトルですので、今後も続けて参りたいと思っております。
次回作をどのような形で提供できるかについては、さくまあきら氏と話し合いを続けておりますが、残念ながらまだ結論が出ておりません。
一日も早く、ファンの皆様に喜んでいただける作品をお出ししたいと思っておりますので、引き続き同シリーズをご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
以上
これに対してさくまあきら氏だけでなくファンも「話し合い?応じてないって本人がいってるじゃん!」「おいおい、コナミが長年育てたことになってるぞ!」と大にぎわい。これでは氏も「桃鉄終了」というわけだ。
正直引いたところから見て「どっちも大人げないなあ」と。こういうのって普通は裏でやることだし、漏れてくる…いや自ら漏らして騒ぎ立てるってのは今時のやり方だなと。小島プロダクションの一件もあったし点いた火にガソリンをぶちまけやすかったんだろう。
桃鉄はコナミが育てたものじゃない、さくまあきら氏とハドソンがだろ!って思ってるかもしれないけど「桃鉄を楽しみ愛し続けてくれたからファンがいた」からこそシリーズがここまで長く続き育てられたわけで。
最近ゲーム業界が衰退している原因は制作者側が「ゲームソフトを愛し育ててくるファンの思い」を蔑ろにしているからなのかなとも思う。制作者は大切に思っていても所属する会社が利益優先でその想いを蔑ろにいていることも多々ある。それでどんどん有能なクリエイターがいなくなっていったのがコナミなのだろう。
最近キックスターターなどでインディーズの面白そうなゲームが多く排出されるのも小回りが利くからこそ冒険ができて、そしてファンにも目を向けたゲームが作れるんだとも思う。
ドリームキャストソフト「シェンムー」は推定65億円と当時としてはとんでもない制作費で作られた(それでもFF7に次ぐ国内2位らしいが。)。それが今では当たり前のように数十億というお金が一本のソフトにかけられるようになった。
そんな大金が動くようになれば失敗だってできなくなる。それゆえ会社もリスクを冒せないし制作者も所属している以上それに従うしかない。リスクを冒せない以上平凡なものしか生まれなくなっていく。(シェンムーは失敗だったとは思ってないけどね…。)
でもコナミは平凡なもの以前にさくま氏のいうとおりソフトをつくることすらできないのだと思う。優秀な人材が次々と去っていく環境づくりは完璧にできているのにね。
コナミはすでにユーザーには目を向けていないということはリリースからも充分なほど伝わってくる。もう二度とコナミにたいしてワイワイする感情など抱くことはできなくなるんだろうな…。せめて他のメーカーでシリーズが楽しめればいいのだけれど、そんな話は宝くじが当たるよりないだろうな。
ゲームソフトを愛し育ててくれるユーザーを大切にしていない会社ほど大きくなり、大切にしている会社ほどバタバタなくなっていくということを考えると、それと経営の両立ってのは私たちが思っているより難しいことなんだろうなぁ…。