あの「カーテンの向こう側」には思いやりが溢れている。
皆様、レンタル店に「カーテンの向こう側」という場所が存在するのはご存知でしょうか?男性の皆さんはご存知かと思いますが、女性の中にはどんな空間なのかをご説明したいと思います。
その前に「まあ!男の子はしょうがないわね!」って思えなそうで「なんなの!男の子って不潔!」って思ってしまいそうな方はそっと戻るボタンを押してくださいね。まあそんなにスケベ寄りの話でもないのですが念のため。
あの「カーテンの向こう側」に悪人はいない
カーテンの向こう側にはいわゆる「セクシービデオ」が並んでいる空間なわけですが。今日はそれについて書くわけではなく、そこにいる「住人たち」について書いていきたいと思います。
あの空間というのは外から見るとわからないのですが、実は結構狭いのです。昔に比べてネット等の普及もあり、スペースがどんどん削られていった結果です。私が行っていた店舗もどんどん狭くなっていきました。その狭い空間こそがある作用を引き出すのです。
身体と身体がぶつかってしまうようなスペース。そこにたくさんのDVDやBlu-rayが上から下までびっしりと各ジャンルごとに並べられています。もし先客がいて、ジャンルが被ろうものならゆっくり見ることはできません。でも「カーテンの向こう側」の住人たちは誰ひとりとして自分のことだけ考えて行動するようなことはしないのです。
「言葉」なんていらない
その空間には「言葉」というものは存在しません。住人たちには「言葉」はなくても「ゆずり合い」という思いやり溢れた「コミュニケーション術」があるのです。それこそ「アイコンタクト」というものすら必要とせず、すれ違う際ぶつかりそうなら互いに避けあったり、ずっとそのスペースに立たず他の場所を見るフリをして場所を譲る。隣の人が借りたいDVDを借りてしまっても「来週借りられればいいや」と優しくなれる…数えたらキリがないくらいに「思いやり溢れた場所」なのです。
いつからそうなったのかわかりません。しかし住人の先祖たちが培ってきたものだということは間違いなさそうです。これにスペースの減少ということが作用し更にそうなっていったのかもしれません。今の住民たちはこの空間に入った時間だけかもしれないですが「争う」ということを忘れ、互いを尊重しながら「ひとつの大切なもの」を選ぶのです。
そう、時間の流れも緩やかになります。たまに「奇行種」が現れ自分勝手な行動を取るものがいます。でもイラついたりはしません、ひたすら「それ」がいなくなるのを待ちます。時間がもったいない?いや、それが待てるのです。その空間は心を穏やかにするだけではなく、時間の流れすら緩やかにする。「待つ」ということすら忘れられる素晴らしき場所なのだ。
女性の皆様はきっと欲望のままがっついてパッケージを見て選んでいる様を想像していたでしょう。いいえ、違います…そこにはもしかしたら世界で一番平和な場所が広がっているのかもしれないのです。
コミュニケーション過多こそが争いのもと
私は今回のことでひとつの結論にたどり着きました。現代社会はネットやSNSサービスに支配され「コミュニケーション過多」になっているんじゃないかと。疲弊した世の中を作っているのはその「コミュニケーション過多」が原因で、心乏しくなってしまっているのではと。現代人がどんどん「思いやり」というものを忘れていくのはそういったことが原因なんじゃないかと。
心が休まる時間が少なくなっている現代社会…もし少しだけ生きることに疲れてきてしまった方がいたら、あの「カーテンの向こう側」の空間を思い出してみてください。そしてその場所にいってみるといいでしょう。きっとそこにはあなたがどこかに忘れてしまったものがあるはずです。
そしてその場所で「ひとつの大切なもの」に出逢うはず。それを手に取ってカウンターにいきましょう。恐れることはない、恥じることもない。そして1週間後、またあの場所に帰ればいいのです。あなたはこれで立派なあの場所の住人になれたのです。
レジに女の子は「ご褒美」なの!
え?レジカウンターに可愛い女の子がいて借りづらい?アホかお前は。私ならむしろそこに行くわ!そんなご褒美ないわ!可愛い女の子が「ひとつの大切なもの」を恥ずかしそうにスキャンする様がいいんだろうがぁ!
こうやって住人たちがカーテンをくぐり戻ってくるとコチラ側にいた頃の「記憶」を取り戻してしまいます…。
どうせならこの世界すべてが「カーテンの向こう側」になれば平和になるのに…。
でもカーテンは「仕切り」なのです。「向こう側」と「コチラ側」がないかぎり「カーテン」は存在しない。この世界が全部「カーテンの向こう側」になることはないのです。
だから人は争いを続けます、ずっと、ずっと…。
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