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細々と更新しています…ネットの片隅のヒトリゴト。

取材をしてわかった「ETC2.0」と「ITSスポット」の新しい関係。

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国土交通省:ETC2.0

 今まで「ETC2.0」について数度このブログでも書いてきました。その後、多方面への個人的な取材を踏まえたうえで、もう一度冷静に「ETC2.0」について考えてみましたので気になる方はもう一度だけ読んでいただけたらと。多分「ETC2.0」について書くのはこの記事が最後になります。

 

 

 先日、県内の自動車のディーラーの営業の方と「ETC2.0」についての情報交換をした際に「うちの場合、今のところほとんど取り付ける方はいないですね。今までで1台だけですかね。」という話を聞きました。その理由は「地方の場合、恩恵を受ける場所が今のところないから。」という事でした。

 

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 私は「あ、なるほど…」と納得。確かに「ETC2.0」のための「ITSスポット」が地方の「高速道路」にはまだまだ設置が少なく、都市部でしか恩恵を受けられないのだと。

 それに民間での利用もまだどうなるかはわからない…。そうなると「ITSスポットの存在する都市部在住」と「まだまだ設置の少ないと思われる地方在住」ではETC2.0の必要性が大きく変わってくるということですよね。

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 最近の自動車のカタログにはやっと「ETC2.0対応の端末」及び「ナビゲーションシステム」がアクセサリーとして載るようになりました。しかし地方の場合はほとんどの搭載歴がないというのは上記の通り。都市部で取材はしていないのでどうかわかりませんが、地方の方は当分は「ETC」で充分といえるのかもしれません…。

 国土交通省的には2014年には「ETC2.0」が普及しているという未来予想図を描いていましたが、実際は5年遅れくらいになるような気が。

 しかし取材をしてまた複雑な未来が見えてきました。実は「ETC2.0」と「ITSスポット」というものは「別々」に考えなければならないということがわかったのです。

 

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圏央道(首都圏中央連絡自動車道)|3環状

 ここ数年「新しい高速道路」の開通、例えば圏央道などが繋がっていっています。そういった道路にはどんどん「ETC2.0」推進のため道路を作る際に「ITSスポット」が備え付けられていっているということは国土交通省道路局への取材にてわかっています。しかし、驚いたことに「ITSスポット」というのは「高速道路のみ」に設置されて、今後も「一般道設置については計画されていない」ということ(これに関しては今後変わっていく可能性はあるが、今のところ一般道設置はないとのこと)。つまりは「ETC2.0端末」と「ITSスポット」同士の双方向データ利用をすることができるのは「高速道路」だけでしかない、ということなのです。

 

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サービスエリア・道の駅等 ETC2.0| ETC総合情報ポータルサイト

 個人的に「ETC2.0」の最大の利点は「一般道でのITSスポットデータの利用」だと考えてきました。一般道で起こりやすい街中の渋滞を「今まで数倍のレベルで未然に回避」できたり「リアルタイムでの道路状況を考慮し賢いルート検索」ができるということ。「ETC2.0」を装着することで高速道路を利用しない「一般道だけの利用者」にとっても「無駄な時間を節約し、環境にも燃費にも」いい意味でかなり大きな影響を与えるのだと。でもそれは取材にて「私の幻想」であるとわかりました。
 

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国土交通省:広がる民間サービス ETC2.0

 このような「ETC2.0」を使った「民間サービス」というのはあくまで「こんなこともできるようになるんです!」という省庁御得意の「夢物語」で、それが数年以内に実現するかといえばそれはまた別のお話…ただただ利権のために「ETC2.0」を普及させたいという記事がどこかであったのですが、あながち間違ってないな…という印象に変わりました。

  当ブログの以前の記事をご覧になって実際に「ETC2.0」を装着された方は「お前なんだよ…適当な事言って!」ってお思いでしょうが、必ず「必要になる未来」は来ます、それだけは間違いはない。当ブログ的には「同じ車を長く車を乗り続ける方」はやはり「ETC2.0」を選んでおいたほうがいいと今でも考えますし、来年と再来年に購入する私の車にも実際に取り付けるつもりです。

 「ETC」のときもそうですが、先に付けたときのメリットというのは必ずあります。損をする、ということはないはずだと思っています。もうひとつ言えるなら、モデルによっては購入時に取り付けないとあとでは取り付けられないモデルもあるそうです。最近のモデルはスペース的にかなりギリギリに作っているので、ナビによっては付けられない例も出てきているとのこと。詳細はディーラーにてご確認ください。

 

 

www.go-etc.jp

 それにしても国土交通省は「ETC2.0」と「ITSスポット」について組み合わせた便利なもの、との考えのもと設備の設置を進めているとはとても思えなくなったのは事実です。当分の間は「ETC」の延長上のもので、ただ「速度を落とすことなく料金所を通過できる機械」でしかないんじゃないかと…。知らない方がいい真実とはこういうものを言うのかもしれません。

 もし省庁の方がこの記事を読んでいるのなら。利権よりユーザーの利益を優先すればきっと「ETC2.0」の普及は加速するはずです。ETC機器やナビ会社だけではなく、スマートフォン等での利用も考えているというリリースがあったわけで、そういうところでも支援をしてどんどんAppを作ってもらうべきなのではないでしょうか。

 今はとにかく「ハードルが高い」です。「ETC2.0」の端末で45,000円程度、そして対応ナビは上級モデルではなくてはいけなくて150,000円はするという状態(ナビがなくとも端末のみで使用できる機種もあるのですが、最大限の恩恵はやはりナビ込み)。そのナビの部分でもスマホのAppで年間数千円で済めば負担も軽くなると思うのです。そういったユーザー目線を忘れないで欲しい。それが取材をしてわかった私の素直な思いです。

 

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