緑色にキラキラ光る飲み物は私の夏の夢だった。
もう子供達の夏休みも中盤に差し掛かる。そういえば私の子供の頃の夏休みってどんな感じだったのだろう…数十年前の夏の想い出を書いてみようと思う。
もう30年前といってもいいくらいだろう(歳をとったなぁ…)。私の家の近所にあった喫茶店。田舎なので古ぼけた小さなお店だった。そこでコーヒーなんて飲めない子供の私はいつも決まって頼むものがあった。
それは「メロンソーダ」。頼むとおねえさんがいつもニコニコしながら持ってきてくれた。テーブルの上に置かれると私はとてもワクワクした。
緑色の綺麗なシュワシュワの中にキラキラ光る氷。そしてサクランボがちょこんと乗っている。ストローでかき混ぜると「カランカラン」と音がする…。意味もなく何度も何度もかき混ぜる…ああ、幸せだ。
今でこそ「メロンソーダ」はドリンクバーで飲み放題な何でもない飲み物だけど、私の子供の頃はそんなドリンクバーなんてものはなく、本当にたまにしか飲めない贅沢で嬉しい存在だったのだ。そしてアイスクリームがのっている「クリームソーダ」なんていう超贅沢な存在もあった。子供ながらに親に悪いと思ったのか、あまり頼んだことはなかったなぁ。
未だにカラオケに行くと懐かしく思い「メロンソーダ」を飲んでしまう。コンビニでペットボトルの「クリームソーダ」を見てもついつい買ってしまう。喫茶店で飲んだ時のあの感動はないけど、やっぱりおいしい。それに全然メロンは関係ないんだけど、おいしいのだ。
今の子供達はどんなものに感動して、大切な想い出になっていくのかな…。私のメロンソーダのような存在があると嬉しいなと思う。
久しぶりに喫茶店やカフェの「メロンソーダ」を飲みたいな。そうだ、贅沢して「クリームソーダ」にしてしまおうか。あの緑色のシュワシュワでキラキラ光る飲み物は、今だって私の夏の夢なのだ。